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2025/12/3

カラダに負担がかからない除雪のやり方とおすすめグッズ・ケアを理学療法士が徹底解説!

「除雪のやり方、これで合ってる?」

——雪国初心者にとって、初めての雪かきは不安がいっぱい。

2025年11月、長岡市で開催された移住者向けイベント「雪国のはじめ方」では、理学療法士が体に負担をかけない正しい除雪方法とおすすめグッズとケアを解説。

長岡に移住したばかりの方、これから移住を検討している方に役立つ、冬の準備のコツをレポートします!

なぜ除雪がカラダとココロに負担をかけるのか

理学療法士 カラダLab.代表の渡辺美恵さん

翌週には雪予報が出た11月中旬。

「タイヤは変えた?」という長岡の冬お馴染みの挨拶が飛び交う中、長岡市移住者交流会「雪国のはじめ方」がさいわいプラザで開催されました。

参加者は全員が長岡への移住者。Uターンされた方もいれば、雪が身近ではない関西・九州出身の方も!

長年暮らしている人にとっては当たり前の雪かきも、移住者にとっては未知の世界。

どんな道具を揃えればいいのか、体を痛めない雪かきの方法とは──そんな疑問が次々と飛び出します。

そんな中、渡辺さんはまず「なぜ除雪がカラダとココロに負担をかけるのか」について、科学的な視点から解説。

なぜ大変なのかを知ることで、正しく予防できるようになります。

そう渡辺さんは語ります。

除雪が大変な3つの理由

除雪が大変な3つの理由

①新潟県の雪は日本屈指の重さ
新潟県の雪は水分や湿気が多く、非常に重いのが特徴とのこと。長岡の冬は高湿度なので、加湿器ではなく、除湿器が必須なんだそうです!

②運動強度が高い
除雪は筋力、持久力、筋パワーすべてを要求される全身運動。同じ動作を繰り返すため、持久力も必要です。高いところの雪を降ろしたり、運んだり、すくったり。バスケットボールや水泳と同じくらいの運動量とのことで、参加者からは驚きの声が上がります。

③条件が悪い環境で行う作業だから
寒いため血管が収縮していることや、不安定な積雪面・凍結面で行うため、怪我をしやすく疲れやすい環境で行わなければならないので、負担がかかります。

ここで、渡辺さんは興味深い質問を参加者に投げかけます。

「高齢者と大学生、どちらが雪を遠くに投げられると思いますか?」

——答えは高齢者。コツやスキルを身につけることで、体力差を補えるという研究があるんだそうです。

体に負担をかけない除雪の姿勢

渡辺さんは除雪時の体の使い方について専門的なアドバイスを行います。

カラダに負担をかけないためには、安定した姿勢を取ることが大事ですが、「安定した姿勢」とは具体的にどういう状態なのでしょうか?

安定した姿勢の4つのポイント

①足は左右前後に広げて立つ
体が安定し、力を入れやすくなります。

②重心が低い
しっかり膝を曲げて腰を落とす。雪をすくうときは腰を丸めず、雪を持ち上げるときは腰をそらさないように注意が必要です。

③肘を使って、シャベルは体から近い位置で扱う
体から離れた位置で作業すると体に負担がかかります。

④摩擦抵抗が大きい服装
滑り止めのある靴を着用するなど、滑りやすい積雪面での作業なので、服装で対策することが重要です。

正しい除雪にチャレンジ

安定した姿勢について学んだ後は、実践タイムです。

雪に見立てた袋を、実際に雪かきで使用するシャベルを使って持ち上げます。

参加者たちは教わったばかりの正しい姿勢を意識しながら、慎重にシャベルを扱いました。

参加者からの声

足をしっかり踏ん張ることで、腕や腰の力を使わなくても楽に運べますね!
腰をひねって雪を投げる必要があると思っていたけど、無理せず歩いて持っていけば腕にも腰にもいいんだと目から鱗です。

頭で理解するだけでなく、実際に体験することで、正しい姿勢の重要性を実感した様子でした。

除雪前後のカラダケア

負担を軽減するための、カラダケアについても教えてもらいました。

渡辺さんの指導のもと、除雪前後に行うと効果的なストレッチを体験します。

とってもスッキリしました!これなら毎日できそうなので除雪前にやってみます。

と前向きな声が上がりました。

除雪時の服装・グッズって何を揃えればいいの?

また、除雪時の服装についてもレクチャーしていただきました。

どこで買えるのか、いつ頃から用意し始めればいいのかなど、有益な情報に参加者は熱心にメモを取りながら聞き入っていました。

渡辺さんは、

除雪時には、温まるための服ではなく、汗をかくことを前提とした服装選びを。

とアドバイスします。

除雪時の服装

  • 薄手で通気性・撥水性の良い動きやすい服を重ね着するのがおすすめ
  • スキーウェアよりも、綿が入っていない雨具や、内側に付け外し可能なフリースが付いたフード付きのアウターなど
  • スポーツ用品店などで販売している
  • 雪を落とした時に、地面の水が跳ね返るので膝下まである長靴

手袋

  • 撥水加工で滑り止め付きのもの
  • ドラッグストアなどで買える

帽子

  • 雨具のフードでも代用可能
  • すげ笠なども適している

除雪道具の選び方

除雪道具の選び方についても、渡辺さんは、

体に負担をかけないために、なるべく軽くて扱いやすいものを。

と強調します。具体的なポイントは以下の通りです。

スコップ(初心者におすすめ)

(参照)新稲ずな「雪国長岡の暮らしは大変?移住者が語る必要な備えや気をつけること」長岡情報ブログ, 2022年12月26日より
  • 軽くて扱いやすいプラスチック・ポリカ製がおすすめ
    • スチール(鉄)製のものは、重いので上級者向け
  • ドラッグストアやコンビニ、ホームセンターなどで購入可
  • スノーブラシと一緒に、車に積んでおくと良い
    • スタックした際に、車を脱出させるために必要です!
    • 車から降りた後に、除雪しながらでないと歩けない可能性がある
    • 車の上の雪をきれいに下ろさないと、発車時にフロントガラスに雪が落ちてきて事故の原因になる

スノーラッセル(上級者向け)

  • 柄が長く、押す作業には向いているが、重心から離れるので扱い辛い
  • 排水口に入れる作業は難易度高め

スノーダンプ(上級者向け)

除雪道具の選び方
  • たくさん載せられるが、とても重いので体に負担がかかる
  • 押すときにバランスを崩して滑ってしまうことも
  • 排水口に入れる作業は難易度高め

こちらの記事もぜひ参考にしてください!🔽

移住者同士のつながりが生まれた交流会

イベント後半の交流タイムでは、お飲み物を片手に参加者同士の情報交換が盛り上がりました。

同じ立場だからこそ分かち合える悩みや不安。この日をきっかけに、参加者同士のつながりが生まれ、連絡先を交換する姿も見られました。

同じ目線で話せる知り合いが増えて嬉しいです。また今度一緒にご飯に行きましょうね!

知識で自助、シェアで互助

渡辺さんはこう締めくくります。

自分のカラダとココロを楽にすること、そして他者への思いやりは、雪国の暮らしを楽しくし、地域での助け合いにつながります。知識で自助を、シェアで互助を育てていきましょう

長岡の冬を安全に、そして少しでも楽しく過ごすための貴重な学びの場となった本イベント。

慣れない環境だからこそ、正しい知識と備え、そして人とのつながりの重要さを再認識する機会になりました。

長岡市移住定住相談センターは長岡への移住をサポートします

長岡市移住定住相談センターでは、このような移住者さん向けのイベントを定期的に開催しています。

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長岡への移住を考えているけれど、不安なことがある——。

そんな方は、まずは長岡市移住定住相談センターへご相談ください。

経験豊富なスタッフが、一人ひとりの状況に合わせて丁寧にサポートします。

オンライン相談も受け付けていますので、長岡に来られない方でも気軽にお問い合わせいただけます。困ったことがあったら、一人で悩まずぜひご連絡くださいね。

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我々、移住定住相談センターがご希望をうかがいます!
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この記事を書いた人

長岡市移住コンシェルジュ 中島はな
長岡市移住コンシェルジュ 中島はな
兵庫県姫路市出身。大学卒業後、外資系IT企業、新潟市の海運会社を経て2025年9月に長岡市地域おこし協力隊に着任。3度の飯とスウィングダンスが大好き。移住を期にスウィングダンス未踏の地・長岡でサークルを立ち上げ、ダンサー100人を目指して日々活動中。