都会では公共交通や駐車場事情から車を持たない人も多い一方、地方へ移住したら車がないと不便なのでは..?と思われる方も多いですよね。
そもそも長岡市で暮らす際に車は必要なのか?
雪国に住まうなら、どんな車が良いのか?
元車屋の筆者が、実際に移住を検討される方から質問いただくことの多い、車のノウハウについて解説します。
長岡など雪国での暮らしを例に、移住前後どちらで買うか、名義変更や費用の注意点。
雪国でおすすめの車の選び方やスタッドレスの基準まで、実体験ベースでお伝えする、雪国へ移住される方必見の記事です。
長岡移住の際に車は必要?

長岡市内はバス網もあり、長岡駅を中心にして鉄道網もあります。
そのため、必須かと言われればそうではありません。
しかしながら公共交通機関は特に冬場の時期は雪の影響もあり遅れることもしばしばだったり、1時間ごとの本数が都会ほど多くはありません。
また、長岡市はシティエリアもあれば海や山もあり面積もかなり広いところです。
車があった方が、長岡生活をより楽しめると思います。
車は移住前後、どちらで買う?
今住んでいるところで買って持ってくるのか、移住先で買うか。
おすすめなのは「移住先で買う」です。
移住前に買って持ってくるとなると、自走であれば地域によってはロングドライブとなり精神的にも体力的にも疲労が蓄積してしまいますし、陸送業者に頼むと当然陸送費が発生します。
また購入時にもお金が発生するものがあります。
車の名義変更を行うにあたり、通常使用する地域(長岡)の運輸局や警察で手続きが必要になります。
この手続きが遠方になってしまうと販売店にとっては時間や手間がかかってしまうため、通常かかる費用だけでなく、「管轄外手数料」(この名称は業者によってさまざまです)が追加でかかります。
この費用が業者によって様々なので、少しでも削るには移住後がおすすめです。
また現地の業者の方が、その土地の事情や生活面を知っているので、情報収集の場としても活用できそうですね。
雪国長岡でおすすめは、2WD車か4WD車どっち?

そもそも2WD車と4WD車とはどういうものでしょうか。
2WD車はエンジンの動力を前輪のみ、または後輪のみに伝えている車です(ちなみに、後輪のみに動力を伝えている車は雪道ではかなりスリップしやすくおすすめできません。そのため、この記事では前輪駆動の車を2WD車とします。)
対して4WD車は、動力を全てのタイヤに伝えている車です。
それぞれメリットとデメリットがあり、以下に、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみます。
2WD車のメリット
- 燃費がいい
4WD車と比較して、車両にかかる装備やパーツが少なくなっている分、重量が軽くなっています。
そのため燃料を抑えられることから燃費が向上します。
- 価格が安い
これも上記の燃費と同様に、パーツが少ないことが影響しています。
パーツが少ないことは組み立ての作業も手間が減ることから価格の低下につながっています。
2WD車のデメリット
- 悪路走行に不向き
前輪のみの駆動のため、いわば後輪はついているだけの状態です。
そのため悪路を走る際に場合によっては危険な場面に遭遇する可能性があります。
4WD車のメリット
- 悪路走行に向いている、
パワーがあり安定走行しやすい
4WD車は全てのタイヤに動力が伝えられているため、前輪のみと比べてパワーが向上しています。
そのため、悪路でも安定した走行が可能になります。
4WD車のデメリット
- 燃費が2WD車と比較して落ちる
4WD車は後輪にも動力を伝えるためパーツが増えます。
その分車両の重量が少し重くなるため、2WD車より多い燃料が必要になります。
- 価格が高め
増えたパーツそのものの費用と、それを組み立てる手間の分、2WD車よりも価格が高くなります。
同じ車種で比べると、2WD車と4WD車だと10~15万円程度差があります。
- 選べる幅が限定される
気に入った車があっても、2WD車しか設定されていない車種もあります。
これらを踏まえて、どちらを取るのかは人それぞれになります。
長岡市内は消雪パイプが道に張り巡らされており、他の雪が降る地域よりは比較的雪が溶けやすい傾向にあります。
そのため昔から車には乗り慣れている方や、大雪の日は乗らないという場合では2WD車でも良さそうです。
しかし運転にあまり自信がない方や今までほぼ乗ったことがない方、ウインタースポーツ等で山間部によく行く方は、何といっても安全に越したことはないので4WD車がおすすめです。
ただ4WD車だからといってスリップしないことはないので運転の際はご注意ください。
スタッドレスタイヤの選び方

長岡を含め、雪が降る地域では通常のタイヤ(以下サマータイヤ)とは別にスリップ事故を減らすためスタッドレスタイヤも必要になってきます。
高速道路も、降雪の状況次第ではスタッドレスタイヤでないとそもそも通行不可の日もあります。
サマータイヤもスタッドレスタイヤも現在はいろんなメーカーから発売されていますし、その分価格も性能もピンキリですが、日本製が海外製より高い傾向にあります。
サマータイヤに関しては、日本製でも海外製でもそこまで大きな性能差はありませんので、安い海外製でも十分かと思います。
しかしスタッドレスタイヤに関しては性能面で日本製の方が優れている傾向にあるので、検討の際は日本製を中心にしてみてください。
また現在では新品タイヤだけでなく、中古タイヤも各所で販売されています。
そもそもスタッドレスタイヤは、サマータイヤよりタイヤゴムが少しだけ軟らかく、その分地面を捉えるため滑りにくいという特性があります。
しかし年数が経過するとタイヤゴムが硬くなってきてしまい、スタッドレスタイヤの良さが生かされないというデメリットが生まれてしまうため、検討の際は価格は上がりますが新品を選ぶようにしましょう。

また、スタッドレスタイヤは冬に入る前に交換する必要があります。
いつ頃交換した方が良いのか?費用は?など下記の記事に具体的に紹介されていますので、併せてご覧ください。
移住の際の車は、行動範囲とコストバランスで検討しよう

長岡のような雪国では、スタッドレスタイヤなど追加コストがかかるのは事実です。
それでも、車があることで行動半径が大きく広がり、海・山・郊外へのお出かけや日々の買い物の自由度が上がります。
移住の際に車を持つかどうかの判断は、家計や安全性、生活動線とのバランスで決めるのが最適解。
ご家庭のライフスタイルに合わせて、「いまの暮らしに必要な一台」を検討してみてください。



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