移住を検討している時に感じる「よくわからない恐怖」は、実際に経験した人じゃないとわからないものがありますよね。
私が長岡市に移住したのは2020年9月でしたが、移住を決断するまでにはかなりの葛藤がありました。
「実際に移住をする前に長岡での暮らしを体験できる、お試し移住ができればいいのにな…」と思っていたところ、2022年9月から長岡市日赤町の物件「タウンハウス日赤町」でお試し移住制度がスタートしました。
長岡駅から徒歩13分の好立地にある空き家を改装した施設で、最大10日間のお試し移住ができる制度です。
「く…!自分が移住する時にあれば…!」と思う素晴らしい制度なのですが、実際に申し込もうとする人の気持ちになって紹介ページを見てみると「情報少なっ!!!」と思ってしまいました。
特にお風呂の写真が無いのが致命的で、自分のようなひねくれた人間だと「写真で載せられないぐらいひどい状態なのかな?」と勘ぐってしまいます。
そこで!今回は担当者さん(佐藤さん)とアポを取らせていただいて、タウンハウス日赤町の取材をさせていただいてきました。
この記事ではタウンハウス日赤町の物件の写真はもちろん、長岡に住んでいる自分が思う物件のチェックポイント、そして「自分だったらお試し移住制度をこうやって使う」という3つの話題をお伝えします。
移住の失敗を避けるには「移住前の情報収集」が重要です
改めましてこんにちは。チカラコブ株式会社の小川健太と申します。
私は2020年9月に大宮から長岡に移住したのですが「自分の移住のやり方は失敗だった」と認識しています。
特に失敗だったのは「居住地域の選択」で、ネットに載っている情報を鵜呑みにした結果、目的と合わない地域に引っ越しをしてしまいました。(詳しくは別の記事で語っています。)
移住前に現地での情報収集を疎かにした悪い例と言えるでしょう。(涙)
この記事で一番伝えたいことは「移住前の情報収集にこそ力を入れるべき」ということです。
移住という決断は経済的にも精神的にも肉体的にも大きな負担があるものなので、避けられる失敗は避けるべきです。
…という想いで記事を書いていたら、真面目過ぎる記事になってしまったので、ここぞ!というポイントで佐藤さんを茶化した画像で登場させることで誤魔化すことにしました。(佐藤さんからの許可はいただいています。)
この画像が出てきたら重要なポイントなので、スクロールの手を止注目して欲しい佐藤さんめていただければと思います!
長岡市のお試し移住施設「タウンハウス日赤町」の物件写真を細かく紹介
タウンハウス日赤町(長岡市日赤町1丁目5-3)は長岡駅から大手通を真っすぐ13分歩くと着きます。立地は長岡の中でもかなり良く、車を2台停められる駐車場付きの物件です。
敷地に接しているのは消雪パイプ付きの歩道で、その先に長岡駅方面に向かう3車線道路があります。前面道路には中央分離帯があるので左にしか出ることができないですが、大きな道路なので特に不都合は無いと思われます。
こちらがタウンハウス日赤町の間取り図となります。1階は9畳と5畳の和室とダイニングキッチン、2階に8畳と6畳の和室、5帖の洋室がある5DKの一軒家です。
図面上は「9畳の和室」と書かれていますが、畳があるのは6畳で3畳分はフローリングとなっています。木製のダイニングテーブルとベンチが置かれており、テレビやエアコンも完備されています。
取材時点でエアコンがついていたのはこの部屋だけだったので、お試し移住期間はこの部屋がメインで過ごす部屋となりそうです。
部屋の片隅には存在感のある大きなルーターが置いてあります。驚くことに「NCT光10Gプラン」が契約されており、今まで体験したことのない回線速度が待っています。
スマホのWi-Fi接続で1.3Gbpsを叩き出していたので笑っちゃいました。正直オーバースペックとすら言えそうです。(笑)
紹介ページに掲載されていたトイレにはウォシュレットが無かったので残念な気持ちになったのですが、あれは2Fのトイレでした。メインで生活することとなるであろう1Fのトイレはウォシュレット一体型で清潔感のあるトイレでした。
続いて、1階の脱衣所の写真です。独立洗面台は少し旧式ではありますが、水栓はリフォームされていました。シングルレバー水栓の使いやすいタイプです。
別角度から写した脱衣所の写真です。洗濯機や掃除機はもちろん、ドライヤー、洗剤、柔軟剤、クイックルワイパーなどが揃っていました。細かいですが生活に必要なものが最低限揃っているのは嬉しい心遣いです。
個人的に一番気になっていた浴室の写真です。田舎の旧タイプのお風呂(タイル床やバラ窯)を想像していたのですが普通に綺麗なお風呂でした。これなら全く問題がありません。(シャンプー、コンディショナー、ボディソープなど、最低限のものは揃っていました。)
台所の写真です。あえて紹介ページに載っていない画角からの写真にしてみました。コンロは3口+グリルのビルトインコンロで、広さは十分です。冷蔵庫のサイズは一人暮らし用のものですが、10日間のお試し移住のことを考えると十分なサイズと言えるでしょう。
冷蔵庫の中には必要最低限の調味料が揃っていました。取材時には調理酒も入っていました。(笑)
生活家電として炊飯器、電子レンジ、ポットも用意されています。その他、長岡市指定のゴミ袋も用意されているのはありがたいです。
画質が悪くて申し訳ないのですが、カレンダーで注目していただきたいのは「燃えるごみが週に1回だけ」という点です。生ごみが週2回あるので分別すれば良い話なのですが、横着な自分は燃えるごみの頻度の少なさに若干のストレスを感じています。
周りの移住者に聞いてみても同様の不満を持っている人がチラホラいるので、お試し移住期間に意識してみることをおすすめしたいです。
キッチン奥にある5畳和室の写真です。家具は何も置かれていないので、ここでご飯を食べるのは難しいかなと思いました。
ここからは2階の様子となります。5帖の洋室の様子です。
机と椅子があるのでちょっとした作業であれば、この場所でやれそうです。ただ、カーテンやエアコンは無かったので時間や時期によっては快適な作業環境にはならない可能性があります。あくまでも一時的に作業ができる場所ぐらいの認識が良さそうです。
2階のトイレの写真です。便座ウォーマーはついていますが、ウォシュレットがついていないのが少しだけ残念に感じました。(お試し移住期間はほとんど1階で生活すると思うので、不要ではあると思いますが…)
2階の6畳和室の写真です。表替えがされていて綺麗な部屋でしたが、使い道はあまり思い浮かばなかったです…!
2階で一番ゆっくりできそうな部屋は道路側にある8畳和室でした。ゆったりと座れそうな椅子があり、外を眺めながらゆっくりとした時間を過ごすことができそうです。(これも季節と時間によりますが…)
簡単ではありますが、タウンハウス日赤町の全部屋を写真で紹介させていただきました。
実際に全部屋を見させていただいた感想をまとめると…
- エアコンがあるのは1階の9畳和室のみ
- お試し移住期間の生活は基本的に1階で完結する使い方になりそう
- 夫婦と小さい子供2人の合計4人よりも多いと少し狭いかも
という感じです。
タウンハウス日赤町でのお試し移住を考えている方の参考となれば嬉しいです!
現役大家が教える「長岡で物件を探す時に見るべきポイント」
実は私、不動産賃貸業(大家さん)をやっています。大家の視点で「物件を探す時に見るべきポイント」を3つ紹介します。
①物件のアンペア数をチェックすべし(30Aは要注意!)
築年数が経った物件を見る時には必ずブレーカーを確認しましょう。
上記の写真はタウンハウス日赤町のブレーカーですが「30A」となっています。
30Aがついている場合は、大家さんにブレーカーの容量を上げれるかどうか確認することをおすすめします。
というのも、古い物件だと電線の太さが足りなくてブレーカー容量を上げることができないケースが多いからです。配線を入れ替えるのは大規模な工事となるので、大家さんが対応してくれない場合がほとんどです。
以下、ザックリとしたイメージを共有しておきます。
- 一人暮らしなら20~30A
- 夫婦二人なら30~50A
- 子供のいる家族なら40~60A
使う家電が多い現代人の場合、このぐらいを目安にするのが良いでしょう。
②敷地内融雪&前面道路の融雪状況を把握すべし(イメージ通り、雪は大変)
長岡の雪を経験していない方にイメージしてもらうことは不可能だと思うのですが、やはり雪対策は重要です。ポイントは2つで「敷地内の雪対策」と「前面道路の雪対策」です。
敷地内に「消雪パイプ」か「カーポート」はあるか?
見るべきポイントの1つ目は敷地内の雪対策です。アパートであれば敷地内にも消雪パイプが用意されている物件が多いですが、戸建ての場合は消雪パイプがあるのは稀です。街中を見渡してみると消雪パイプの代わりにカーポートを設置しているお家が多いです。
ただ、賃貸に出ている戸建てだと、全く対策されていない物件の方が多い印象です。その場合、自分たちの手で雪かきするしかないのですが…正直、めちゃくちゃ大変です。
早起きして出発前に雪かきするのは何とか頑張れますが、仕事で疲れて帰ってきた時に雪が山盛りで敷地に入れないと心が折れます。
そのレベルの大雪は年に1~2回程度ではありますが、できることなら避けることをおすすめします。
前面道路に「消雪パイプ」はあるか?そして「除雪車」は通るのか?
見るべきポイントの2つ目は前面道路の雪対策です。
基本的に前面道路に消雪パイプがあるところが良いです。
ある程度の街中であれば、前面道路に消雪パイプが無くても除雪車が通ってくれると思いますが、その場合、敷地と道路の間に雪の塊が残ります。残された雪の塊は自分の手でどける必要があります。
タウンハウス日赤町の場合、歩道に消雪パイプがあり、道路は中央分離帯に消雪パイプがあるように見えます。推測ではありますが、この形だと除雪車が通ることで車の出入り口に雪が溜まると思われます。
長岡の雪を経験していない人は自分で判断することはできないと思うので、地元の人からアドバイスを貰うのが良いでしょう。
③インターネット環境は良くチェックしておくべし(提供エリア&大家さんへの確認)
長岡は割と広いエリアで光回線を引くことができるのでインターネット環境は「結構良い」と言えると思います。住所がわかれば事前に提供エリアかどうかを調べることができます。
合わせて確認しておくべきは「大家さんが回線を引くことを許可してくれるかどうか」です。回線を引く時には建物に穴を開けたり、共用部に設備をつける場合があり、インターネットに馴染みがない大家さんの場合、許可してくれない場合があります。(年配の大家さんに許可取りをする時には「電話線を引く工事のようなもの」と伝えるとイメージしやすいようでOKをもらいやすいです。)
- 物件のアンペア数をチェックすべし(30Aは要注意!)
- 敷地内融雪&前面道路の融雪状況を把握すべし(イメージ通り、雪は大変)
- インターネット環境は良くチェックしておくべし(提供エリア&大家さんへの確認)
物件をチェックする時には上記の3つをチェックしてみてください。
長岡市のお試し移住制度を最も効率良く活用する方法
この記事は自分自身の失敗を踏まえて「移住前の情報収集にこそ力を入れるべき」というテーマで書いています。移住して2年半が経った今だからこそ「もっと、こうしてれば良かった」と思うことが多いのです。
私がおすすめしたいのは「自分が理想としている生活に近い暮らしをしている先輩の移住者に話を聞いてから移住を判断する」という方法です。
そこで!もし自分が今から移住するなら、こうやって動くという内容をお伝えします。
- ①まずは移住定住の担当者さん(佐藤さん)にネットで相談する
- ②お試し移住制度を活用する段取りを組む
- ③実際に長岡を体験して良いことも悪いことも正直に伝える
- ④移住するかどうかの判断をする
順を追って説明させていただきます。
①まずは移住定住の担当者さん(佐藤さん)にネットで相談する
移住の判断には事前の情報収集が重要です。私が移住を検討していた時、インターネットで情報収集をしていましたが、ハッキリ言って無駄でした。
自身の状況は人によって異なりますし、どうやって生活していきたいかも人によって違います。インターネット上に載っている移住体験記は1つの事例でしかないので、そのまま自分に当てはめることはできないのです。
移住した経験を情報発信している人は極めて稀です。しかも、どちらかと言うと「外れ値」に寄っている人たちなので本当に参考にならないです。(笑)
実際に移住した今だからこそわかるのですが、移住したけど情報発信をしていない人はたくさんいて、彼らの情報を良く知っているのが「移住定住の担当者さん」なのです。
なので、まずは担当者さん(佐藤さん)に連絡をするところから始めましょう。
②長岡市のお試し移住制度を活用する段取りを組む
佐藤さんに連絡を取ると、めちゃくちゃヒアリングされると思います。移住検討者一人ひとりにカスタマイズしたプランを提案するために必要なので要望や不安は隠すことなく全て伝えておきましょう。
※「都会と全く同じような暮らしをしたい」など、長岡では実現が難しい内容だった場合、その時点で実現が難しいという話をしてくれると思います。
確実に入れていただきたいのは「自分が理想とする生活に近い暮らしをしている先輩移住者に話を聞く機会」です。佐藤さんに相談すれば、誰かしら紹介してくれるはずです。
お試し移住は「長岡という街を知る機会」と「ご自身が移住した姿をイメージできる人との出会い」の2つを実現できる制度ですから、ぜひ時間を作って活用されることをおすすめします。
③実際に長岡を体験して良いことも悪いことも正直に伝える
お試し移住制度では最大で10日間、長岡の街を体験することができます。佐藤さんが組み立ててくれたプランに乗っかることでネットで調べるだけではわからない、リアルな長岡を知ることができるはずです。
「リアルな長岡」は良いことだけとは限らないでしょう。人付き合いの距離感に戸惑ったり、車社会に難しさを感じたり、想像以上の雪の多さに心が折れたり、想像していたよりも物価が高いことに驚いたり…
お試し移住期間に感じた良いこと・悪いことは、ご自身の心に留めるのではなく、包み隠さず佐藤さんに伝えることをおすすめします。(何らかの方法で乗り越える方法があるかもしれないですからね。)
④長岡に移住するかどうかの判断をする
考えうる全ての情報が整ったら、実際に移住するかどうか、判断する時間を作りましょう。移住は大きな決断となりますから、しっかりと時間をかけて判断することをおすすめします。
移住する・しないに関係なく、どのような結論を出したかを佐藤さんに伝えましょう。ご自身で判断した結論であれば、内容に関わらず意見を尊重してくれるはずです。
移住の決断は即決せずに、しっかりと時間をかけて行いましょう
長くなりましたが、この記事ではタウンハウス日赤町の紹介、大家業をやっている自分が思う見るべき物件のポイント、そして「自分だったらお試し移住制度をこうやって使う」という3つの話題をお伝えしました。
単身世帯であれば勢いで移住するのも良いと思いますが、ご家族がいらっしゃる場合、自分だけの話ではありません。家族内でしっかりと話し合う時間を作って、不安に思うことを潰していく作業が必要になると考えます。
言葉が悪くなってしまいますが、良い意味で「広報・魅力発信課の佐藤さんを上手く使う」のが良いでしょう。
私自身は「移住する前にもっと情報収集をしておけば良かった…」と後悔しているので、そうならないように使える制度はどんどん使うことをおすすめします。
まずは気軽に問い合わせしてみましょう!
余談ではありますが…私自身が移住する時に悩んだ葛藤や移住する時に決めたことは別記事にまとめています。一般的な例ではないかもしれませんが、「自分自身で何かを始めたい!」という方にとっては少しだけ参考にしていただける部分があるかもしれません。
それでは、また!