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2022/7/16

築60年の古民家を書店に。私が長岡移住を選んだ理由

私と夫が新潟県長岡市に移住して2年が経つ。

私たちがここに来た理由は単純で、「好きなだけ改修できる古民家を見つけたから」。

長岡市のことをほとんど知らずに移住してきたが、今ではこの土地が大好きだ。

この記事では、私たちの移住のきっかけと、暮らしながら発見してきた新潟・長岡移住のポイントをお伝えしたい。

私が長岡市にIターン移住を決めた理由

私たちは古民家を探していた。条件は3つ。

  1. 予算Under200万円の古民家で、屋根や壁に大きな損傷がないこと。
  2. 自然豊かな環境、新鮮な食材、森、山、キャンプ場へのアクセス。
  3. 普段は素朴な暮らしをして、たまに素敵なお店に行けるとなお良い。

条件1がとにかく鬼門だった。予算が低すぎるのだ。

しかし26歳と25歳の移住である。コロナ禍で仕事もなく、ならば2人でやりたいことに挑戦しようと決めた。

低予算は必然。新潟県・長野県・山梨県のあらゆる物件情報を見た。

この予算で見つかる物件の多くは、モノであふれた家の「現状引き渡し」や、普通の家かと思いきや2階の床が抜けている、など。

それでも探し続ければ出会うものだ。

DIYで床板を剥がした光景。床が抜けているのではない

結果として私たちは「物件ありきの移住」となったが、実はその前に「移住地の魅力から選ぶ」やり方も検討していたことも書き添えておく。

コロナ前から、地域おこし協力隊や、移住受け入れに積極的な地域を見に行っていた。

複数の場所に足を運んでみると「合う、合わない」がわかりやすくなる。

新潟県は移住先としておすすめなのか

移住検討中に考えた、ほかの2つの条件についても触れておきたい。

新潟のいい空気と温泉、美味しいごはん

新潟県は海と山の幸に恵まれ、新鮮な食材がいつでも手に入る。

温泉も多い。長岡・寺泊エリアならば「寺泊きんぱちの湯」で日本海に沈む夕日を見ながら温泉に入ることができる。

キャンプ場は言わずもがな。天下のSnowPeak Headquartersがあるのが新潟県だ。

「たまには素敵なお店に行きたい」をどう叶えるか

Rural Reading

自然を味方につけた、ユニークなお店に出会えるのも、田舎暮らしの良いところだ。

美味しいお店、素敵なお店は移住してすぐ見つけるのは難しくても、半年経つ頃にはローカルなお気に入りが見つかり始めるだろう。

休日のドライブには、長岡市の隣の弥彦村や、大地の芸術祭がある越後妻有まで足を伸ばすのも楽しい。

そして寺泊にお越しの際はぜひ、筆者の書店にもお立ち寄りください。

Rural Reading」書店と喫茶、図書館のようにお静かに。不定休のためInstagramのご確認を。

築60年の古民家をセルフビルドで書店にする

新潟県長岡市で「好きなだけ改修できる古民家」を入手した私と夫は、専門家の監修*を受けながらセルフビルドで書店・喫茶店をつくり、2022年に「Rural Reading」 をオープンした。

*建築家の「Wakai Architect」 さん。新築住宅、店舗、セルフリノベーションの監修を手がける

この土地に縁もゆかりもなかったIターン移住者2人、開業に至るまで他にもたくさんの方にお世話になった。

詳しい話は、物語仕立てでInstagramで発信していく予定なので、そちらもよろしければ。

長岡市で起業

長岡市で開業したい人は、起業支援センター「CLIP長岡」や、長岡市の補助金も活用できる。

「CLIP長岡」は長岡市民であれば無料で起業相談を受けられる。

ビジネス経験の豊富なセンター長が事業計画書にリアルなフィードバックをたくさんくれる稀有な場所だ。

補助金は、移住者向けのものや、大学卒業5年以内の起業が条件の「学生起業家育成補助金」などがあるが、年度や時期により異なる。

市役所、もしくはCLIP長岡で尋ねてみると確実だ。

と、ここで記事を終わろうと思っていたが、編集チームから「実際に住んでみてどうですか。最後に一言!」とリクエストを頂き追記する。

長岡市移住の満足度

私は長岡市に移住したことで、生活と仕事のあいだに自然な「すき間」を持てるようになった。

山と夕日を見ながら散歩したり、海でぼーっとしたり、日常的に温泉に入って、今日もいい1日だった、と思える。

利便性よりもそういう心の充足感に対し、「ここに移住できてよかった」と思う。

(とはいえ利便性も大事だ。筆者の考える快適な田舎暮らしの目安は、スーパー、コンビニ、郵便局が全て車で5〜7分圏内にあること。電波と宅配便が届き、除雪車が家の前を通ること。よく見れば、長岡市にこの条件をクリアする物件は多い。ただし、あなたがオフグリッドな生活を目指すガチ自然派ならば、ぜひもっと冒険していただきたい。)

「心の充足感」から派生して、来月の記事では長岡市での休日の過ごし方について執筆予定。移住ライフのリアルな休日の様子をお届けする。To be continued!

この記事を書いた人

冨永みさき
冨永みさき
熊本生まれ、タイ育ち。自然豊かな暮らしを求めて2020年にパートナーと共に新潟県長岡市へ移住。幼い頃から本をこよなく愛し、2022年には静かに読書を楽しむための書店・喫茶店「Rural Reading(ルーラル リーディング)」を寺泊入軽井にオープン。築60年の古民家をセルフリノベーションで店舗にした。