1㎝の積雪で大はしゃぎしていた私が、日本屈指の豪雪地帯に移住してからの雪国生活を書こうと思う。
新卒で地域おこし協力隊員として山古志に移住して6年。
ニュースを見て、人が住むような場所では、ないのかもしれないと思ったあなたに「いや、いい所もあるのね」と思ってもらえるように。
長岡市山古志地域の雪事情
どれくらい降るの?
日本人口の約8割の人が雪と無縁の生活をしていると言われている。
山古志は、選ばれし2割の中でさらにグレードが高い「特別豪雪地帯」に指定されていて、毎年2m以上の雪壁が道路の脇に出来る。
初雪はいつ?
初雪の時期は年によってまばらで、10月下旬の年もあれば、今年のように11月の下旬になるまで降らない年もある。
ただ、積もった雪が溶けずに残るいわゆる「根雪」になる時期は、だいたい毎年クリスマス前後だ。
1番降るのはいつ?
根雪後の最初の関門は、年末年始であることが最近は多い。
しかし私、帰省のため1度も山古志で年越しをしたことがない。
不安な人は、私のように年末年始は長岡を離れるのも、有り。
1-2月になると1週間のうち5日くらいは雪が降る。
雨と同じで1日中降り続けることはイレギュラーだけど、そんな日が続いたり、1日で膝下くらいまで積もるような大雪になったりするのが、だいたい1月の中旬とバレンタインの前後。
移住者目線の雪国攻略ポイント4つ
1.普段の+1時間前行動
雪国の朝は忙しい。
玄関前の雪かき、車の雪下ろしをして、やっと出発と思ったら窓が曇っている…。
さらに雪道を低速で運転する事や、渋滞を考えると、平時より1時間早い行動を心掛けたい。
2.冬前の備蓄で、不要不急の外出は避ける
山古志内の除雪は、地域外から来る人が口をそろえて「レベチ!」と、絶賛するくらいキレイ。
それでも、11月中旬からカップ麺や冷凍食材を少しずつ備蓄。
調味料やトイレットペーパーなどの消耗品は、普段より大きいサイズ、早めの買い足しで大雪に備える。
3.石油ストーブの購入
これは移住当初、母からの教え。
雪国での停電で寒い思いをしないように、電気に頼らない暖房器具を1台は確保する。
今年の雪害時、停電した地域も多くある中で用意しておいてよかった、と思える物。
4.車の中に非常用セットを
移住して2年目。
スリップし雪壁を超え、棚田に落ちたことがあった。
それからは、12月になると車内にいざという時用セットを積むようにしている。
思わぬ渋滞に巻きこまれたときにも、便利だと思う。
- スコップ…スタックした時用。駐車場が家から離れている場合にも。
- 長靴…出勤先や出かけ先では、ブーツや靴に履き替える。
- 食糧…飴やチョコレートなどのお菓子。
- 簡易トイレ…大雪に弱い新潟市や高速道路に乗る時のお守りに。
- 撥水ズボン…出勤・退勤前にスカートやズボンの上から履く。
- 牽引ロープ…スタックした時、スタックした車を見つけた時用。
- 結露ふき用布巾…フロントガラスの曇り取り。急いでいる時用。
- 手袋、ブランケット…冷え性なので寒さ対策に。
雪かきのやり方、分からない!
スノーダンプなんて、見たこともない。
雪国に移住してみたいけど、冬の生活本当に乗り越えられるか不安。
近所の人に教えてもらうのもいいけれど、こんなものもぜひ活用して。
大変だけど、初めての一人暮らし・移住者にこそ勧めたい
私がなんとか無事に住み続けていられるのは、気にかけてくれる人が必ずいたからだと思う。
ヨソから来た女の子が一人で暮らしているから、と家の前の除雪は、除雪隊がギリギリまでしてくれた。
買い物に行けないでしょ、と野菜や夕飯の差し入れが毎週のように色々な所からあった。
個人的には楽しかった仕事終わりの雪かき(しないと車を止めるスペースがない)にも、疲れているのに偉いねと、近所の人達からお褒めの言葉をもらった。
この時期は、自分の力だけでは玄関から出ることさえままならないことがある。
人に助けを求める、頼る、迷惑をかける。
山古志に移住して、私の中でハードルが低くなったこと。
一人では生きていけないことを知っているから、人に構うし構われることを気にしないのだろうと初めての冬を経験して思った。
合うあわないはもちろんあると思う。
図太くて、適度に流せる性格の私からすると、これだけ気にかけてくれる山古志こそ、移住者・初めての一人暮らし勢にこそ、強く勧めたい。