こんにちは!移住ライターの榎本です。
これまでは、子育てを切り口にして長岡生活の魅力をお伝えしてきました。
今回は、少し視点を変えてコミュニティづくりの取り組みをご紹介します。
妻と一緒に長岡へ移住してきたのは、2015年4月のこと。
長岡は、妻が高校生まで暮らしていたゆかりのある土地です。
とは言え、特に顔見知りが多かったり地縁コミュニティと密接に関わっていたわけではありませんでした。
そのような状況から、長岡で知り合いを増やし、長岡らしい暮らしを満喫する情報交換ができる「集いの場」を作り出してきた実体験をお伝えしたいと思います。
これから移住されるみなさんが、自分も移住後に何か始められるかも!楽しい生活が待っている!と感じてくだされば幸いです。
仕事をきっかけに始まった交流の場づくり
職場で最初に取り組んだ仕事は「山の人と町の人の出会いの場をつくる」ことでした。
長岡の山間部は、中越地震で大きな被害を受けました。
それによって、人口減少や高齢化、地域コミュニティの維持が課題になっていました。
そこで、山と接点の少ない町の人に魅力を知ってもらおう、お互いが顔の見える関係になれるようにしよう、ということで交流の場づくりを始めたのです。
「山の暮らしサロン」という名称の交流の場は、2015年10月にスタートしました。
交流の場を作ろう!と意気込んで企画を作ったものの、長岡には知り合いが全くいません。
ですので、最初は職場の同僚に声がけを頼んだり、イベントに足を運んで顔見知りになったり。
移住前から気になっていたフェアトレードショップやオーガニック食品店にも足を運びました。
すでに市民団体の交流の場として催されていた「のも~れ長岡」も、知り合いを増やす絶好の機会でした。
長岡には活動家がいっぱい!
最初は、興味のあるイベントやお店にだけ顔を出していたのですが、お店の方の紹介やフライヤー、ポスターなどで面白いお店や活動を次々と知ります。
どうやら、長岡には団体だけでなく、個人的に何か面白いことをしている人がたくさんいるらしい。
それに気が付くと、ますます人のつながりをたどるのが楽しくなってきます。
知り合いづてに紹介されたお店やイベントでは、店主やスタッフの方との話が弾みます。
そうすると、また次のつながりが自然と生まれてくるんです。
自分自身も長岡に居を移してから、色々な活動を始めました。
やっぱり、一人で何かを始める、続けるのは楽しいと同時に孤独感もありますよね。
そんなときに、あそこに行けば誰かに会える、楽しい時間が過ごせる、という期待感がある場はとても貴重だと思うんです。
長岡は、アクティブに活動する人が多い地域。
だからこそ、どこの誰が始めたのかも分からない「山の暮らしサロン」が始まったときでさえ、30名ほどの方がご参加くださいました。
「自分がいてもいい」と思えるゆる~い場づくり
「山の暮らしサロン」の特長は、山の人と町の人の交流の場。
でも、それ以上に大切にしていたのが「あなたがいてもいい」という安心感です。
交流の場は、回を重ねるごとに常連が増え、場の空気が作られていきます。
そこに安心感を覚える人もあれば、逆に近寄りがたさを感じることもあります。
なるべくなら、そんなことにならない場にしたいな、という思いがありました。
「山の暮らしサロン」は、話し合いのゴールを決めない、相手を否定しない、一人が喋り続けないなどの簡単な約束事を設けて、居心地のよい場づくりを目指しました。
おかげで、ものすごく大規模なコミュニティに成長することはありませんでしたが、6年間で延べ580人を超える方にご参加いただける場になりました。
自分が欲しいものは自分でつくってみる
山の人と町の人の出会いの場を作ったきっかけは、あくまでも職場の仕事でした。
ただ、企画を作り上げる中で気づいたことは、交流の場を一番欲していたのは自分自身だということです。
長岡にこういう場所があってよかった、と何人もの参加者から喜ばれました。
そんなとき、心の中では「いや、自分が一番欲しがっていたんですよ」、と。
もしかしたら、口に出して言ってしまっていたかもしれません。
それくらい、自分にとって大切でかけがえのない場が「山の暮らしサロン」でした。
すでに、山の暮らしサロンは役目を終えてお休み期間に入っています。
でも、もしかするとまた必要なときがやってくるかもしれません。
そのときのために、いつでも再開できる準備はしておきたいと思うのです。
そのためにも、長岡で楽しく活動しているみなさんとの接点を絶やさず、つながりを持ち続けたいと思います。
そして、これから長岡に移住されるみなさんも、ご自身がこれまでに移住前の土地でしてこられたことや長岡で新たに得られた環境や視点を切り口にして、「自分のための場」をぜひ作ってみてください。
きっと、長岡ライフがもっともっと充実してくることと思います。